りたいあーずらいふ

定年を迎えて晴れて自由になった日常を語ります。

高齢者は投資にどう向き合うのか

先日、親名義の口座のことで証券会社に出向きました。
その大手証券会社は私も口座を持っていますが、窓口で話をしたのは初めてです。

担当者と話をするようになったのはこんな経緯があります。

父親がまだ生きていたころ、当時の担当者から訳の分からない外貨建ての債券(ブラジルリアル建ての格付けの低い何処かの国の債権。私なら絶対に買わないと言い切れます)を勧められるがままに買ってしまい、分配金は貰っていましたが、いわゆるたこ足配当で、評価額が爆下げしていました。国民年金生活者なので、ダメージは決して少ないものではありません。

父が一時期けっこう投資を熱心にしていたので、資産配分でいくと、その証券会社が最も大きかったからです。

それに気づいた私は、担当者は既に変わっていましたが、「何もしらない年寄りに訳の分からない商品を売りつけて、コンプライアンス上許されるのか? 詐欺みたいな話じゃないのか? この損失をなんとかしてくれ」と電話で苦情を申し入れました。

契約してしまったものは何ともならないことは判ってはいても一言言っておかないと気が済まなかったからです。

 

金融知識の乏しい高齢者を餌食にして大手証券会社までが、胡散臭いジャンク債のような金融商品を勧めているとは思いませんでした。

同じような話は社会問題にもなっていて、平成26年金融庁の指導で、高齢者向け投資勧誘の自主規制ガイドラインが施行され、今ではそんな危ない商品を年寄りに積極的に勧めることは少なくなっているのでしょうか。

こうした制度があれば、損害は防げたかもしれません。

 

後任の担当者と相談したうえ、まもなく満期を迎える豪ドル建ての某社の社債を円に換金せず、豪ドルのままMMFに置くことにしました。豪ドルのレートが当時は円高だったからです。

その後、幸いなことに円安に大きく動いたので、為替差益があり、債券の損失の一部を穴埋めすることはできました。

私が口出ししなければ、そのまま担当者に言われるがままに満期で償還して、損失のダブルパンチをうけていたかもしれません。

 

続けて、証券会社からは、代理人制度の利用を勧められたので、それに応じて自分が代理人になりましたので、取引報告書が定期的に届くようになり、証券会社からの勧誘もあったとしても私に連絡が来るようになりましたが、本人が自分の意思で契約を行う場合の完全な歯止めにはなりません。

 

手数料が高く悪名高い?ファンドラップを勧められたそうですが、この時は、私に直接連絡はありませんでした。勧められた話は母から聞きましたが、俺ならあまり勧めないなあ、とは言いましたが、替わりに何をと聞かれてもその時は、いい代替商品が思い浮かばず、まあ、任せるわ、みたいな返事をしたので、母はそのまま契約してしまいました。

 

幸いにもファンドラップはリスク低めの安定運用を選択したので、現在のところ、利益は出ています。タイミング的にもアベノミクスが始まる前でいい時期だったからかもしれません。

あのころ、オルカンとかS&Pとか知っていたら、それを勧めていたことでしょう。私も

知識不足でした。

 

金融機関の窓口に行くと、投資信託などの余計な商品を薦められた記憶しかないので、あまり近づかないようにしており、証券会社はネット証券でもっぱら取引しているのですが、知らないこと、判らないことがまだまだ多く、対面や電話で問合せのできる証券会社はメリットもあります。

 

あとで気づいたのですが、こうした損失を出したことの埋め合わせなのか、勧めてきた新規上場株でいくらかの利益も出しているので、担当者にもよると思いますが、そういうメリットもあるのかもしれません。母は利益より株主優待で喜んでいるようですが。(-_-;)

 

対面型の大手証券会社で判らないことを聞いて、実際の取引はネット証券で、なんてことは極端ですが、多少なりとも大手で取引があれば、こんな使い方も悪くないなと思ったりしています。